火山活動が活発になっている神奈川県の箱根山の大涌谷について、国土地理院が衛星によるレーダー解析を行った結果、最近になって大涌谷周辺の半径100メートル程度の範囲で地面が隆起し、中央付近では最大で6センチほど隆起しているとみられることが分かりました。
国土地理院は、火山活動が活発になっている箱根山の大涌谷周辺の地面に変化がないか、地球観測衛星「だいち2号」がレーダーで観測した去年10月と今月7日のデータを比較し、解析しました。
その結果、大涌谷の斜面では、半径100メートルほどの範囲で地面が隆起し、中央付近では最大で6センチほど隆起しているとみられることが分かりました。
隆起したとみられる場所は、大涌谷の観光施設や駐車場がある場所から東へ100メートルから300メートルほど離れていて、現在、立ち入りが規制されているエリアの中にあるということです。
国土地理院によりますと、先月17日のデータによる解析では、こうした変化は見られず、地面の隆起はそれ以降、最近になって起きたとみられるということです。
解析に当たった国土地理院宇宙測地課の和田弘人課長は「今回の解析結果は局所的に地下の浅い部分で起きた膨張をとらえている可能性がある。今後は隆起が確認された範囲にさらに場所を絞って地上で詳しい観測を行いたい」と話しています。